2009年2月24日

今回は少し趣向を変えて，ビジネス全般に通じる空間・情報・思考の整理術に関する本の紹介です．

佐藤可士和 「佐藤可士和の超整理術」日本経済新聞出版社．2007

この本は，日本を代表する若きクリエイティブディレクター（グラフィックデザイナー），佐藤可士和氏が，自身の仕事を通して身につけ，実践してきた整理術をまとめたものです．

佐藤可士和氏の手がけた仕事は，NTTドコモの携帯デザイン，SMAPのCD発売キャンペーン，国立新美術館や明治学院大学，千里リハビリテーション病院のロゴデザインなど，枚挙に暇がありません．限られた時間の中でこれほどまでに多岐にわたる仕事を効率よく，かつ他の追随を許さないレベルで実践する根本には，空間・情報・思考の徹底した整理があると，可士和氏は述べています．

本のどの箇所を切り取っても，ここで推奨されている整理術は，研究者やセラピストも含めた，あらゆる業種に通じる重要なスキルであると感じます．トップランナーの独創的な創作の過程に触れられるだけでも大変意味のある書ですが，その創作の背景に大変ベーシックな，しかし極めて洗練された整理術が存在することを知ると，「自分もこのような整理術を徹底することで，仕事のスキルを格段に上げることができるかもしれない」と，ポジティブな気分にさせてくれる本です．